Warning: Error while sending QUERY packet. PID=15069 in /home/uls/public_html/wordpress/wp-includes/class-wpdb.php on line 2349 紀伊大島の樫野崎 - 日々の出来事

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2016.12.04

紀伊大島の樫野崎・・・(旅行)

大島へは、以前は串本節にも歌われた巡航船で渡る必要があったが、1999年9月8日に大橋が完成した。橋は、アーチ部分と苗我島でのループ部分とそこから大島への架橋部分からなる。アーチ部分は、大島の北端部分の標高が高いのをカバーするために設けられた。
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大島の中央部分の道で島を貫き、一気に樫野崎に向かうと、最初に「トルコ記念館」が見えてくる。記念館は、オスマン皇帝の特使を乗せて日本に派遣されたエルトゥールル号が、帰国の途にあった1890年(明治23年)、樫野埼灯台近くで座礁し犠牲者587名という大惨事があり、地元大島村の人々の温かい対応が、日本とトルコの友好の始まりとして有名なエピソードになっているのを記念し、1974年(昭和49年)12月に建設されたものである。館内からエルトゥールル号が座礁した地点を見ることもできる。また、記念館前には、「日本赤十字社”平時国際活動発祥の地”記念碑」も建てられている。
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トルコ記念館から先に進むと、途中にトルコの魔除けの目(ナザールボンジュック) 等のトルコにちなんだお土産を売る店もあり、「トルコ軍艦遭難慰霊碑」にたどり着く。
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さらに進むとトルコ共和国の初代大統領のムスタファ・ケマル・アタテュルクの騎馬像が左にあり、道の右には「樫野立処跡」がある。アタテュルクは独裁政治であったが、宗教と政治の分離(世俗主義)、民族主義、共和主義などを柱として近代国歌を築き、独裁政権であっても大きな混乱もなく他国の独裁政治に比べて極めて穏健な政治で、今も国父、救国の英雄として尊敬を集めている。
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いよいよ樫野崎の先端部分です。古い樫野崎官舎の前に案内板がありました。そして、その先に灯台入り口があります。
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樫野崎灯台は、日本最初の石造灯台であり、英国人のリチャード・ヘンリー・ブラントンが設計し、1870年7月8日(明治3年6月10日)に初点灯した日本最初の灯台です。
灯台に続く建屋には、日付が記されたプレートが取り付けられているが、和暦は旧暦で記されているため、月日が西暦と異なっている。
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灯台には、横に新たに設けられた螺旋階段から上ることができ、雄大な眺望を楽しむことができる。振り返ると、灯台が建設されたときに合わせて建設された石造りの官舎が見える。この官舎内部は撮影禁止だが、見学することができ、英国人技師らが、数年に渡り滞在し灯台運営に携わった部屋等を見ることができる。
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kashinozaki_17.jpgさて、1890年(明治23年)9月16日夜半、オスマン帝国の軍艦エルトゥールル(Ertuğrul Fırkateyni)が遭難し、587名の犠牲者を出した大惨事が起こったが、当時は官舎には既に日本人のみの駐在であった。夜半に風が吹き荒れる音がしていたが、風の音とは異なるような音を聞いたと思って、入り口のドアを空けると血まみれの大男が立っていた。当時は、明かりはこの官舎のみであったので、必死に崖を上ってたどり着いたと思われたが、言葉は通じず、何処の国の人かわからない。そこで、国際信号旗の図本を見せて遭難したのがオスマン帝国海軍軍艦である事を知った。自力で崖を上ってこれたのは10名程度で、その後村人も呼んで帯を繋ぎ合わせて崖を引っ張り上げた。この時、台風により出漁できず、食料の蓄えもわずかだったにもかかわらず、住民は浴衣などの衣類、卵やサツマイモ、それに非常用のニワトリすら供出するなど、生存者たちの救護に努めた。この結果、樫野の寺、学校、灯台に収容された69名が救出され、生還することが出来た。このことが、今に続くトルコとの友好な関係の礎になったのである。


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